★★★★
主人公は小学校の教師。悪ガキ達をなんとかまとめて指導しながら日々を送っている。そんな彼女の周りに次々と事件が起こる。彼女は持ち前の行動力と推理で事件を解決に導く。刑事の助けも借りながら。…と言っても、全然本格ミステリーなどではない。舞台は大阪。当然関西弁で物語は進行していき、ユーモアも交えられている。私は関西人だが、大阪府大出身の知人がいるので、南海高野線中もず駅などというローカルな地名が出てきたときは親しみを覚えた。大阪の雰囲気もよく出ている。さすがに著者は大阪出身だけあって、大阪人や街の様子もよく描けている。
ただ、気になるのは登場人物の使う関西弁。関西らしさを出そうとしているのは分かるのだが、現代人なら使わないような言い回しがある。たとえば、「しょうむない(つまらない)」という言葉。正しくはしょう「も」ないである。また、「ほんまでっせ」という言い方。こんな言い回しは年寄りかお笑い芸人でなければ使わない。特に最近の若者は、標準語に近付いており、アクセントだけが関西弁というように変わってきている。
この小説のコンセプトは、著者の地元である大阪を舞台に、笑いを取り入れた赤川次郎のようなユーモア・ミステリーを書こうとしているのだと思われる。その試みは、関西人の私から見ても見事に成功している。もう少し、ユーモアの要素が強くてもいいだろうという感じはするが。なかなか楽しめる作品ではある。
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