2017年10月14日

エドガー・アラン・ポー傑作短編集

「エドガー・アラン・ポー傑作短編集」        エドガー・アラン・ポー
★★★★★



エドガー・アラン・ポーの短編集である。

・アモンティラードの樽 「私」はフォルチュナートという人物にひどい目に遭わされてきたので、その復讐をするつもりである。「私」は謝肉祭の時期にアモンティラードという特別なシェリー酒を手に入れたとフォルチュナートに言い、自分のワインセラーに彼を連れて行く。「私」が思いついた復讐とは…なかなかブラックな話である。超短編だが、毒はたっぷり。

・アッシャー家の崩壊 アッシャー家に数週間泊まることになった「私」。その家は灰色の壁、目のような窓、枯れつつある木により、見ただけで心が重くなる外観だった。アッシャーと「私」は親友だった。そんなおどろおどろしい家に入っていく「私」。久しぶりに会ったアッシャーはひどく変わっていた。「私」はアッシャーをなんとか元気づけようとするのだが、彼の中には決して変わらない暗い部分があった。滞在中、アッシャーの双子の妹、マデラインが亡くなり、遺体は地下室に置かれるが……重苦しい雰囲気で、ホラー感に満ちた作品である。

・モルグ街の殺人 世界初の名探偵、デュパンが活躍する作品である。夜が好きな名探偵。ある日、レスパネ夫人という女性とその娘が殺される。事件当時、周辺にいた人々は誰かの声を聞いたという。ある人はロシア語のようだったと言い、別の人はドイツ語だったと言う。そして、死体があった部屋は密室だった。デュパンはこの謎を解くことができるのか?論理的に考え、推理を積み上げていくあたりは、まさに名探偵である。本作は、推理小説の原点とも言われているそうだが、まさに古典的ミステリーの王道を行くような作品であり、真相にも意外性がある。非常に楽しめた。
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2017年10月07日

オペラ座の怪人

「オペラ座の怪人」                 ガストン・ルルー
★★★★★



パリ、オペラ座の支配人、ドビエンヌとポリニーはダンサーの1人からオペラ座でゴーストを見たという話を聞く。ある女性は、それは骸骨の姿だったという。別の人は、目はブラックホールのようで、鼻はなかったという。そして、怪人のためにオペラ座のボックス席5番がいつも空けてある。

その時、オペラ座では「ファウスト」が上演されていた。しかし、オペラの主役女優が具合が悪くなり、若手女優のクリスティーヌが主役に抜擢される。大役を果たし、失神したクリスティーヌ。控室で意識を取り戻し、謎の力強い男の声を聞く。その声に答えるクリスティーヌ。しかし、男の姿は見えなかった。

そしてオペラ座の支配人はモンシャルマンとリシュールに代わる。最初は、2人とも「オペラ座の怪人」はジョークだと思っていたのだが、そうではないことが分かってくる。

ラウルという子爵がクリスティーヌを愛していた。そして、オペラ座の怪人も同じ気持ちだった。クリスティーヌはどちらのものになるのか。そして、この話はハッピーエンドを迎えるのだろうか。

この話もなんとなく知ってはいたのだが、半分以上は知らないストーリーだった。怪人の企みに巻き込まれていくラウル。後半にはハラハラさせられるシーンも盛り込まれている。何度も映像化・舞台化されただけあって、リライトされていてもなかなかの傑作である。
posted by 三毛ネコ at 11:23| Comment(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

宝島

「宝島」                R・L・スティーヴンスン
★★★★★



主人公の少年、ジムの両親は「ベンボー提督亭」を経営している。老いた水夫がそこに滞在していた。ジムたちはその水夫を「キャプテン」と呼んでいたが、あるひ、ある男がキャプテンを訪ねてくる。その男を見て、キャプテンは顔面蒼白になる。2人は話をするが、キャプテンはその男を短剣で切りつけ、追い払った。

しかしその後、キャプテンは脳卒中を起こして倒れた。その後、船乗りの格好をした別の(盲目の)男がキャプテンを訪ねてきて、その直後にキャプテンは死んでしまう。ジムと母親はキャプテンの持ち物を調べ、「宝島」の地図を発見する。盲目の男、ピューもその地図を探していたが、一足遅かった。この男たちは海賊だったのだ。その地図には、海賊フリント船長が宝を隠した場所が記されていた。ジムたちはその島に行くことに決める。

ここから、皆さんの多くがご存じの冒険活劇がスタートするわけである。宝の地図、そこに書かれた意味ありげな言葉、そして海賊・・・これで面白くならないわけがない。

世界中がすっかり冒険され尽くした現在では、この小説のような夢を膨らませることは難しい。しかし、そんなロマンを一度は感じてみたい。そのような感想を持たせてくれる名作である。
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2017年09月18日

文系が20年後も生き残るためにいますべきこと

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」       岩崎日出俊
★★★



今から20年後。私たちの生活は大きく変わっているだろう。3時間で東京からニューヨークまで行けるかもしれない。ネットで注文した商品は30分以内に届く。

しかし、その一方で変化について行けない企業は倒産し、現在の仕事を失う人も出てくるだろう。現在、日本の文系出身者の73%が「事務・販売・接客」の仕事に就いており、これらの仕事はなくなる可能性が高い。AIの発達により、49%の仕事はなくなるという研究もある。なくなるリスクの高い職業の人は、少しでも高度な専門知識を身につけ、知識の幅を広げておくべきだという。

私自身も、Google翻訳の進歩などに不安を感じ、本書を読んでいるというわけである。

文系でも、一芸に秀でている人は強いという言葉に、少し安心。他社が欲しいと思うような能力やスキルを身につけておくことがポイントだという。しかし、翻訳という仕事そのものがなくなったら、この仕事しかしていない自分を求めるところがあるのだろうか?不安は尽きない。

日本では高校で文系か理系かを選択するが、アメリカではそういう区分がなく、どちらも学べる。「私は文系だから」などと自分に限界を設けないことが大事なのだ。

題名から、何か具体的に「これをしておけ」と書いてあるのかと思っていたが、今の私にできることはあまり書いていなかった。英語、ファイナンス、コンピューター(プログラミング)が役に立つと書かれているが、英語とコンピューターについては、私が学生のころから大事だと言われていた。目新しいのはファイナンスぐらいである。英語は仕事だし、プログラミングを含めて、コンピューターについては少しずつ学んでいる。翻訳業は1人でする仕事だし、ファイナンスを学ぶ必要は感じない。

結局、今のスタンスで英語とコンピューターについて学び、変化に対応していくしかないのかな、というのが読後の正直な感想であった。
ラベル:AI
posted by 三毛ネコ at 09:24| Comment(0) | 実用書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月09日

Number 9/15 臨時増刊号

「Number 9/15 臨時増刊号」
★★★★★



やった!!サッカー日本代表、ロシアW杯出場決定!

というわけで、W杯出場決定を受けての臨時増刊号である。

巻頭記事にも書かれているように、オーストラリア戦の浅野と乾、井手口の先発起用はかなり大胆だった。どちらかと言えば、浅野はスピード、乾はドリブルで、途中出場して試合のリズムや流れを変える選手だと思っていた。そのため、こんな起用をしてこの試合は大丈夫か、と思ったものだ。しかし、結果的にはこの采配が当たった。この記事によれば、ハリルホジッチ監督は、前回W杯では、アルジェリア代表を率いて4試合全てで先発を入れ替えたという。それでハリルは「奇術師」と呼ばれた。まさに、オーストラリア戦はそんなハリルの特徴がよく出た試合だった。

ハリルになってから、戦術的な引き出しは確かに増えた。日本代表に招集する選手をどんどん入れ替えることにより、選手間の競争も激しくなり、チームは活性化した。

豪州戦では、21歳の井手口と22歳の浅野が点を取ったのも大きい。

オーストラリア戦では、相手のほうがボールのポゼッション率は上だった。オーストラリアは実力がほぼ互角の相手だが、W杯で格上の相手に当たった場合には、当然日本よりも相手のポゼッション率が高くなるだろう。その時、豪州戦のような試合運びができれば、勝てる確率も高くなる。

簡単ではないが、ここからさらに1段階、2段階のレベルアップをして本番に臨んでもらいたい。ハリルの名采配と選手の活躍を大いに期待したいと思う。
posted by 三毛ネコ at 09:01| Comment(0) | Number | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする