2009年12月20日

京大芸人

「京大芸人」               菅 広文
★★★★




偏差値72。お笑い芸人ロザンの宇治原の高校入学時の偏差値である。頭のできが違うことがよく分かる。相方の菅は彼のことを「高性能勉強ロボ」と呼んだが、もっとふさわしい言葉がマンガ「ドラゴン桜」にあるのだ。「宇宙人」である。ドラゴン桜に出てくる宇宙人はハンパではない。高校は普通の高校だが、ものすごく成績が良く、東大理三確実。進学校にも行かず、家では家事もこなし、部活ではレギュラーとして活躍し、それでいて勉強がずば抜けてよくできる―それが宇宙人だ。もちろん架空の人物なのだが、取材に基づいているので、まんざら嘘ではない。私の知り合いにも同じような人物がいる。宇治原も高校ではバスケ部で、練習に打ち込んで3年にはエースになったらしいが、それでいてあまり部活に熱心ではなかった菅よりも勉強はよくできた。彼の宇宙人ぶりを示すエピソードと言える。
 
そして、宇治原は見事に現役で京大に合格する。そして今、クイズタレントとしてテレビで活躍している。この本を読む限り、芸人になる動機は菅の一言なので、彼は今の立場で満足しているのかもしれない。しかし、私から見ると残念である。クイズ番組などを見ていると、彼の頭のいいのがよく分かる。彼ほど頭が良ければ、医者でも弁護士でもなれただろう。それでなくても、本業のお笑い芸人として活躍し、持ち前の頭の良さを活かして成功しているなら私も文句は言わない。しかし、今の彼は学生時代の財産で生きているようなものだ。学生時代は勉強をしてテストでいい点を取る。今は番組のために勉強をしてクイズでいい成績を残す。そのふたつにどんな違いがあるというのか?彼の人生なのだからどんなふうに生きても他人が口出しすることではない。しかし、彼のような頭脳に恵まれなかった私から見ると、彼はせっかくの才能を浪費しているようにしか見えないのである。本業の漫才師として活躍することを祈りたい。

内容としては、すごく読みやすい本である。2時間もあれば読める。文章から、菅の相方に対する愛情が伝わってくる。京大受験の勉強方法についても書いてあるので、受験生には参考になるかもしれない。個人的には、頭の出来の違いを思い知らされるだけで、あまり参考や励みにはならなかったが。




posted by 三毛ネコ at 15:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 伝記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
幅広いジャンルの本を読んでらっしゃいますね。
私は新聞の売れ行きベスト10とか新聞の
書籍の広告から気になるのを読んでいますが
三毛ネコさんのようになかなか鋭い感想が書けなくて・・(^0^;)
Posted by happy at 2009年12月27日 21:00
コメント、ありがとうございます。幅広いというより、単なる乱読です。私も本の選び方はhappyさんと似たようなものです。最初に書評を書き始めたころはひどいものでした。たくさん読み、たくさん書いているうちに多少納得できるものも書けるようになってきました。たくさん書くことに尽きると思います。
Posted by 三毛ネコ at 2009年12月28日 12:57
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック