2016年04月16日

Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か

「Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か」               西部 謙司
★★★★★



Jリーグのレベルは世界の中で高いのか、低いのか。ずっとその疑問を抱いていた。この本では、Jリーグのいろいろなチームの戦術を分析している。

例えば、サンフレッチェ広島は3-6-1のシステムを採用している。最初にそれを知った時、「こんなシステムで勝てるのか?」と疑問に思ったものだが、ちゃんとJ1優勝という結果を出しているので、このやり方は正しかったといえる。広島のシステムを見ると、中盤がぽっかり空いている。だから、広島はロングボールで中盤を省略して攻めることもよくある。青山のような正確なロングフィードのできる選手がいるので成り立つのだろう。3-6-1はよく考えられたシステムと言える。

オシム時代のジェフも解説されている。ジェフは、反転速攻で数的優位を作って攻め込むのがうまかったらしい。また、オシムが目指していたのはトータルフットボールだという。しかし、全員がオールラウンドプレーヤーでない以上、それは実現不可能だった。オシムはロマンティストであると同時にリアリストでもある。それが著者の見解である。そんなオシムの日本代表をもっと見たかったと改めて思う。

それ以外にも、ジュビロ磐田のN-BOX、バルサ化を目指した横浜フリューゲルスなど、読み応えのある内容になっている。

詳しく、的確な解説で広島やガンバなど特徴的なサッカーをするチームの戦術を分析している。なるほどと気づかされることも多く、Jリーグの試合の見方が変わりそうだ。著者によれば、現在のJリーグの戦術はヨーロッパの最先端に近づきつつあるらしい。Jリーグの戦術は決して「ガラパゴス」ではなかったのだ。大木元監督の京都サンガのように、明らかにガラパゴスといえる戦術もあるが、元広島のペトロビッチのように、ヨーロッパに先行するアイデアもある。少なくとも、今のJリーグの戦術はヨーロッパにも劣らないものになってきているのは確かなようだ。

この本を読めば、Jリーグ観戦がより楽しくなるのは間違いない。
posted by 三毛ネコ at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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