「Dewey the Library Cat: A True Story」 Vicki Myron(著),Bret Witter(著)
★★★★★
田舎町。さびれた図書館。その返却ポストに捨てられていた一匹のネコ。そのネコは見た目もかわいらしく、図書館で飼われることに決まる。人なつっこいネコだったようだ。
英語を読む時にはたいてい薄いベールのようなものを通して読んでいるように感じるものだが、それでもこの本は魅力的だった。デューイの愛らしさが文章から伝わってくる。動物好きにはたまらない本だろう。デューイと図書館員たちとのほほえましい日々が描かれる。
そしてデューイの存在は、町を活性化するのにも一役買っていた。デューイ目当てに人が集まり、新聞でも取り上げられる。デューイには、自分が嫌いなことを人が考えただけでたちまち逃げてしまうという賢い側面もあったようだ。
著者が病気になった時にも、デューイの存在が支えになった。ペットの重要性を感じさせる記述である。
しかし、当たり前のことであるが、デューイもやがて年をとり、そんな日々も終わりを迎える。かわいがっていた動物の死。確かにそれはつらいものだ。それにしても、デューイの死がアメリカのあちこちで報道されたことから、どれだけ全米で愛されていたかが分かる。飼いネコとしてはみんなに愛された幸せなネコだったと言えるだろう。私を含めて、ネコ好きにはお勧めの一冊。
2016年05月28日
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