2016年08月06日

未到 奇跡の一年

「未到」                             岡崎 慎司
★★★★★



奇跡が、実現してしまった。レスター優勝。しかし、これは事実である。そこに岡崎が所属し、奮闘していたことも。いったい、なぜこんな番狂わせが起きたのか。それが知りたくてこの本を読んだ。

ドイツのブンデスリーガで2年連続で2ケタ得点を挙げた岡崎。しかし、Jリーガーだった頃からイングランドのプレミアリーグにあこがれていたらしい。

ドイツのマインツで15得点を挙げると、レスターからオファーが来た。しかし、マインツ所属の他のFW2人が移籍したため、岡崎の力が必要だと慰留された。そして次のシーズンも2ケタ得点を上げ、レスターに移籍したのだ。契約直後に監督がラニエリに替わるなど、思いがけない出来事もあったが、結果的にはそれが良かったのだ。あまり戦術を重視する監督ではないらしい。

レスターの優勝オッズは5001倍。誰一人優勝など考えてもいなかった。ラニエリの目標もプレミアリーグ残留。

ラニエリはイタリア人らしく、守備を重視する。守備に関してはかなり細かく約束事を設けていたという。岡崎は、ザッケローニに似ていると感じたそうだ。

ラニエリは中心選手でも容赦なくスタメンから外すが、ラニエリとの約束が守れれば深い信頼を寄せる。こんなところが監督としてチームをまとめられた要因であろう。

岡崎は「試合に出る」と言う目標に向かってあれこれ考え、もがき、工夫し、没頭している時間がけっこう好きだと言う。この本を読むと、そんな岡崎を応援したくなる。

プレミアでは強いフィジカルが必要だと実感し、筋トレで体重を2キロ増やした。その成果も現れていたようだ。

20試合目でラニエリの目標だった勝ち点40を達成。その後も勝ち点を積み上げ、だんだん優勝に近づいていく。シーズン終盤になっても首位をキープし、2位トッテナムとも勝ち点5差があったが、選手たちが優勝を意識することはなかった。ラニエリも優勝については一言も触れなかった。目の前の試合に勝つことだけを考えていたのだ。何しろ、5001倍の優勝オッズである。期待されていない分、プレッシャーもなかったのだろう。

それに、ラニエリの選手起用も適材適所で効果的だったらしい。それが、ヴァーディーやマフレズの大化けにつながったのだ。

そして優勝が決まる。「どうしようもなくうれしい」、それが岡崎の思いだった。

奇跡のような1年だが、しっかり守ってカウンターという自分たちのサッカーを貫いたからこその結果と言えるだろう。来シーズン、優勝争いは厳しくなるだろうが、期待が大きくなる分、岡崎にとってはやりがいがあるとも言える。2ケタ得点ぐらいしないと、スタメンで出るのは難しくなるだろうが、きっと彼ならやってくれる。チャンピオンズリーグを含めた来シーズンの活躍が楽しみだ。
posted by 三毛ネコ at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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