2017年10月21日

日本の経済

「日本の経済」                 小林 佳代
★★★



日本の経済を解説した本。といっても、2005年に出た本なので、最新の経済状況については書かれていない。

戦後の日本の再建は傾斜生産方式で始まった。石炭や鉄鋼などの第一次産業に力を入れたのである。そして、1956年には経済白書に、有名な「もはや戦後ではない」という言葉が現れる。

所得倍増計画の下、GNPは2倍になった。東京オリンピックも開かれ、1968年にはGNPで世界2位になる。

もちろん、いいことばかりではなく、水俣病やイタイイタイ病の発生など、経済発展の陰の側面もあるのだが。

1980年代後半には「バブル経済」が到来する。そのころは、地価は絶対に下がらないという「土地神話」がまかり通っていた。しかし、政府や日銀がバブルを抑えようとしたことが原因で、バブルは崩壊する。それから、失われた10年に入って今に至るわけだ。

ほかにも、日本独自の管理システムについても説明されている。株式持ち合い、メインバンクシステム、トヨタのカイゼンとカンバン方式など。

戦後、官僚が主導して日本を発展させてきたことも説明されている。しかし、規制緩和や産業の自由化につれてそのシステムも変わっていった。

改めて日本経済の変遷を見ると、いい時代だったのだな、と思う。景気は右肩上がり。年功序列で地位や給料が上がっていく。今では考えられない話である。それに比べると、現在は激動の時代と言えるだろう。IoT、人工知能、シェアリング・エコノミー……。時代が、生活のあり方が大きく変わろうとしている。そんな今を生き抜く大変さをしみじみ感じさせられた本だった。
ラベル:リライト 多読
posted by 三毛ネコ at 10:31| Comment(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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