2019年10月19日

このシリーズ好きです。馳さんにはノワール以外も書いて欲しいと思います。

「雨降る森の犬」               馳 星周
★★★★★



馳さんの、犬がテーマの小説、第3弾である。

主人公、雨音は伯父の道夫に連れられ、道夫の家に行く。彼女は母の妙子と一緒に東京に住んでいた。しかし、母はボーイフレンドを作り、その後を追ってニューヨークに行ってしまった。雨音は日本に残った。ひとりで暮らすことに母が反対したので、道夫と暮らすことを選んだのだ。

道夫は、ワルテルという名の大型犬、バーニーズ・マウンテン・ドッグを飼っていた。しかし、最初は雨音には懐かなかった。急に走り出してリードを持つ雨音がケガをしたこともあった。

2週間もすると、学校や新しい環境にはなじんできたが、ワルテルのほうは、雨音を子分と見なしていて、素直に言うことを聞いてくれない。そのころ、隣の別荘に泊まりに来た、正樹という若者と知り合う。ワルテルは正樹に懐いていた。

雨音を中心として、田舎での正樹やワルテルとの触れ合いが描かれる。あっと驚くどんでん返しはないが、ちょっとした登場人物の心の動きや出来事が、優しく読者に語りかけてくる。母との折り合いがうまくいっていない雨音。継母と仲が悪い正樹。そんな2人を道夫が見守り、ワルテルが絶妙な緩衝材となってくれている。

ほのぼのするだけの物語ではないが、犬好きにとっては読んで損のない一冊。
ラベル:馳星周 小説
posted by 三毛ネコ at 08:55| Comment(0) | エンターテインメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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