2013年04月03日

空白の5マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

「空白の5マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」        角幡 唯介 
★★★★★



 冒険―。この2文字はどうして男を引きつけるのだろう。生まれ持つ本能のせいだろうか。
 
 著者の探検の目的は,チベットのツアンポー峡谷の空白部分を踏破することらしい。ツアンポー峡谷は世界一の大きさの峡谷である。
 
 私は冒険するタイプではないが,人の冒険記を読んだりするのは好きである。この本を読んですぐに感じたのは,構成の上手さ。小説のように巧みに話を展開させていく。また,読ませる筆力も相当にある。この本を読みながら,読者は生きるとはどういうことかを自分に問いかけることになるだろう。自分は本当に毎日ベストを尽くして生きているのかと。
 
 この21世紀の時代に,地球上で冒険などすでになくなってしまったかのように見える。しかし,この本を読むと,それが大きな間違いであることに気づかされる。まだまだこの地球上には夢とロマンが満ちあふれているのだ。
 
 著者はツアンポー峡谷の未踏地に行き,そこであるものを見つける。それは冒険家の夢を満足させるに足るものだった。そして彼は7年後に再びツアンポー峡谷に挑む。ダニに悩まされたり,進むべき道を見失ったり,寒さに震えながら。そして冒険の終盤の描写は圧巻である。この命をかけたノンフィクションが賞をトリプルで取ったのは当然であろう。
posted by 三毛ネコ at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする