2017年06月12日

アンネ・フランク物語

「アンネ・フランク物語」                  ニーナ・ウェグナー
★★★★★



アンネ・フランクはユダヤ人で、1929年にドイツで生まれた。両親と姉1人の4人家族である。

アンネは小さいころから社交的な性格だったようである。一家は幸せに暮らしていた。

そのころ、ドイツは第一次世界大戦で敗北し、多額の賠償金を払う必要があった。そのためにドイツ政府は弱体化し、国民は貧しくなった。そこに出てきたのがヒトラーである。ヒトラーは政府が新しくなり、ユダヤ人がいなければドイツは再び復興する、と訴えた。そこから、ユダヤ人に対する差別が始まる。フランク家は、ドイツにとどまるのは危険だとみて、オランダに移住する。

アンネはオランダ語もすぐに覚えて、友達もできるのだが、あまり優秀な生徒ではなかったようだ。ただ、書くことは得意だった。また、学校の人気者でもあった。

アンネは数学が嫌いで、数学の授業ではおしゃべりばかりしていて、先生に注意された。しかし、書くことが得意だったため、母もおしゃべりだったとか、おしゃべりなアヒルの童話などを書き、怒られることを免れた。

しかし、1940年になると、そんなアンネたちに、ナチスの魔の手が・・・。ヒトラーは精神的、身体的に問題がある人たちは役に立たない、と考えてどんどん殺した。優生思想である。

そしてドイツはオランダを征服する。それからユダヤ人への迫害が始まるのだ。ユダヤ人は仕事を失った。オランダに何人ユダヤ人がいてどこに住んでいるのかも把握されていた。そしてヒトラーは恐ろしい目標を立てる。ヨーロッパの全てのユダヤ人を殺す、という目標を。オランダのユダヤ人は、殺されるか強制収容所で重労働させられるかのどちらかだった。そこで、フランク一家は以前経営していた店の一部を隠れ家とし、そこでひっそり暮らすことにした。

その少し前から、アンネはあの「アンネの日記」を書き始めるのだ。ここから先は「アンネの日記」を読んでもらった方がいいと思う。(私は未読ですが・・・汗)

いつ見つかるか分からない隠れ家での生活。カーテンも開けられず、大きな物音も立てられない。気づかれれば、強制収容所行きは確実である。そんな中でも希望を捨てず、仕事や目標を見つけて生活しようとするアンネたちの姿勢が印象的である。そんな普通の人たちの生活を平気で踏みにじるナチスの冷酷さを思い知らされる本だった。
posted by 三毛ネコ at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月28日

ジキルとハイド

「ジキルとハイド」                  R・L・スティーヴンスン
★★★★★



ある場所で女の子が殴り倒された。周りの人たちは犯人を捕まえ、その男はお詫びのしるしとして金を支払った。非常にいやな感じの男で、自分のことをハイドと名乗った。

そのことを聞いた、ジキル博士の友人である弁護士のアタソンは、博士から遺書を預かっていた。そこには、ジキル博士の財産は全てハイドに譲ると書かれていたのだ。そのことに疑問を抱くアタソン。

ジキル博士と話をするために家に行くが、博士は外出中だった。2週間後に会って話すと、できるだけハイドを助けてやってほしいと頼まれる。

それから1年後―。ある家のお手伝いがハイドが老人を杖で殴り、蹴飛ばして殺してしまうのを目撃する。その杖はジキル博士のものだった。アタソンはこの事件を知り、警察をハイドの家に案内するが、ハイドはいなかった。

アタソンはもう一度ジキル博士の家に行き、話をする。博士はショックを受けているようだった。そして、ジキル博士はもう二度とハイドは現れないと言う。確かに、その後しばらくは現れなかった。

しかしある日、アタソンがジキル博士の家に行くと、会ってもらえなかった。何日間もそんな調子である。アタソンはジキルとも親交があるラニョン医師のところへ行くが、彼はひどくやつれているような様子で、ジキルのことは聞きたくないと言う。

その後、アタソンはジキルと顔を合わせる機会があったのだが、彼の様子は普通ではなかった。そして、ハイドが再び・・・

あまりにも有名な物語である。しかし、大まかなところは知っていても、話のディテールはけっこう知らない点があり、「こんな話だったのか」と確認しながら楽しめた。英語の勉強にもなるし、名作を簡単な英語で読んでいくのは悪くない試みだ。
posted by 三毛ネコ at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月23日

びんの小鬼

「びんの小鬼」                     R・L・スティーヴンスン
★★★★★



ハワイにケアウェという男がいた。

彼は世界や大都市を見たいと思い、サンフランシスコに行った。そこで、ある男と出会う。男は小びんを持っていて、50ドルでそれを売ってやると言う。その小びんの中には小鬼がおり、頼むと何でも好きなものを与えてくれるらしい。しかし、寿命を延ばすことだけはできず、小びんを持ったまま死ぬと、その人は地獄に行ってしまう。小びんを売れば地獄へは行かなくてすむのだが、その小びんは買った時よりも安い値段で売る必要がある。買った時と同じ値段や、高い値で売ると小びんが自分のところへ戻ってきてしまうのだ。

ケアウェはそれを50ドルで買い、試しに「50ドル返してくれ」と小びんの小鬼に言うと、ちゃんと50ドルが戻ってきたのだ。そしてケアウェはある願いをするのだが、その願いは彼の望まないような形で実現された。願いをかなえてくれるのは神様ではなく小鬼なので、やり方も喜べるようなものではないのだ。

ケアウェははそのびんをすぐに売ってしまうが、その後、しばらくして彼は病にかかり、もう一度小びんを手に入れて病気を治そうとするが・・・

なかなか毒のある話である。星新一のショートショートを思わせる。ケアウェ夫妻が考え出す解決法は、私が思いついたのと同じであった。ラストは少し予定調和的な感じもするが、ちゃんとまとまっていて、楽しめる小説だった。
posted by 三毛ネコ at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

グリム傑作童話集

「グリム傑作童話集」
★★★★



「漁師とおかみさん」
あるところに貧しい漁師がいた。彼は漁でしゃべる魚を釣り上げた。その魚は、自分は魔法の王子だと言うので、漁師はその魚を放してやる。漁師は、自分の妻の頼みを聞き、助けてやったお礼として、その魚に妻の願いをかなえてくれるように頼むのだが、妻の願いは際限がなく・・・。人間の欲には限界がないことがよく分かる。一つ何かを手に入れたら、次のものが欲しくなるのだ。そんな生き方ではどこかで破綻が生じる、と言う教訓を込めた物語である。

「勇ましいちびの仕立屋」
全然強くはないのだが、気持ちだけは勇敢なちびの仕立屋がいた。彼は多くの人に自分が勇敢なことを知らせるため、旅に出る。そして巨人に出会い、その試練を、知恵を働かせて乗り切る。その後も頭を使って難題をクリアする。体力がなくても、勇気と知恵があれば成功できることを教えられる。

「ルンペルシュティルツヒェン」
あるところに、美しくて働き者の娘がいた。父親にとっては自慢の娘で、仕事で王宮に行った時王様に、自分の娘は藁から金を作れると嘘をついてしまう。そこで王様はその娘を呼んで、藁から金を作るように命じる。途方に暮れる娘だが、奇妙な小男が現れて、彼女を助けてくれる。しかし、その男は代価としてとんでもない要求をして・・・。無理難題をクリアして幸せをつかむというパターンである。

他2編収録。一つひとつの物語は短いので、その不思議な世界に浸っているうちに、全て読み終えてしまえる、そんな一冊である。
posted by 三毛ネコ at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

よだかの星

「よだかの星」                          宮沢 賢治
★★★★★



よだかは醜い鳥である。体色は地味、ブサイクな顔。他の鳥はみんなよだかを嫌っていた。よだかは他の鳥から避けられ、悪口を言われていた。よだかは「たか」という名は付いているが、本当のタカ(タカ目)ではない。タカほどの力がないため、他の鳥はよだかを恐れないのだ。

ある夜、タカがよだかのところにやって来て、自分とよだかでは全く違うので、名前を変えろと言う。よだかは自分の名は神からの贈り物なので、変えることはできないと反論する。タカは、名前を「イチゾウ」に変えろと主張する。そして他の鳥に、改名したことを説明して回れと言う。もし明後日の朝までにそうしなければ、よだかを殺すとまで言う。

よだかは思う。確かに自分は醜いが、何か悪いことをしたわけではない。それなのに、なぜこんなに嫌われるのか。

そして、よだかが取った行動とは・・・

子供のころに読んだが、改めて読むと、よだかは典型的ないじめられっ子である。タカはいじめっ子。他の鳥はそれを面白半分で見ている。

宮沢賢治はこの物語でこう言いたかったのだろう。いじめられていても、自分の目標を見つけ、それに向かって進んでいけば、いつか達成できる、輝くことができる。だから、自分だけの夢を見つけて、それに向けて行動しよう。そうすれば、自分の欠点も克服することができるよ、と。

賢治は、そんなメッセージをこの物語に託していたのだろう。

そんなことが分かるのも名作再読の良さですね。
posted by 三毛ネコ at 06:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

フランダースの犬

「フランダースの犬」                          ウィーダ
★★★★★



主人公はネロとパトラッシュ。祖父のジェハンじいさんのもとで育った。家は貧しかったが、ジェハンはネロを愛していた。ネロは、純粋で親切な少年だった。

大型犬のパトラッシュも2人にとって重要な存在だった。パトラッシュは彼らの全てだった。

パトラッシュはまだ若いころから重い荷車を引っ張る仕事をさせられていた。主人は乱暴な男で、エサも水も与えずにパトラッシュをこき使った。少しでも休めばムチが飛んでくる。ある時、ついにパトラッシュは力尽きて倒れ、動けなくなった。主人はパトラッシュがもう死にかけていると思い、道ばたに捨てていった。

そこを通りかかって命を救ったのがネロとジェハンだった。2人の世話によってパトラッシュは元気を取り戻す。

そして、ジェハンがミルク缶を荷車で運ぶのを手伝うようにもなる。ネロも6歳になり、パトラッシュと共にミルクを売りに行く仕事ができるようになった。ジェハンじいさんは自分で売りに行く必要がなくなった。ネロたちは貧しかったが、とても幸せだった。

ネロはよく教会に行っていた。そこには布で覆われた宗教画があり、ネロはそれを見たいと切望していた。金持ちだけが、金を払って見ることができたのだ。

ネロには誰も知らない才能があった。絵を描くことである。石にチョークで絵を描いていたのだが、それを知っていたのはパトラッシュと女友達のアロアだけだった。

だが、貧しいために、ネロは困難に直面することになる。少年の画家になる夢と、あまりにもかけ離れている現実。そんな様子が描かれる。つらい出来事も経験する。それを乗り越えて、ネロは幸せをつかむことができるのか・・・?

アニメ版のラストシーンは多くの人が知っているだろうが、英語版の方はどうなっているのか。それは読んでのお楽しみ。

貧しくても、正直な生き方を貫こうとするネロと、そこに寄り添うパトラッシュ。

美しくも、悲しい物語である。
posted by 三毛ネコ at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月24日

二つの名前を持ったネコ

「二つの名前を持ったネコ」                  アラン・ポズナー
★★★★



緑の目の黒猫がいた。なぜかそのネコはテイラー家では「マーティン」というオスの名前、ジョーンズ家では「ティナ」というメスの名で呼ばれている。

ある朝、テイラー家に現れたこのネコは、「ピザ」と言うのを聞いて、主人公の1人、サラにほほえみ、うなずいた。そしてピザを平らげ、リビングで眠ってしまう。しばらくして起きてきたサラの両親に「マーティン」と名付けられる。

そしてある夜、ジョーンズ家に現れたこの黒猫は、冷蔵庫の前に座り、動かない。ジョーンズ家の子供、ピーターはネコの晩ご飯としてツナ缶をやる。ピーターが学校で同じクラスの「ティナ」という名前をそのネコにつけたのだ。

二重生活を楽しむ黒猫。テイラー家では気ままな生活をして、ジョーンズ家では規則正しい食事と新聞、ビデオ(特に、トムとジェリー)を楽しむ。

しかし、ある時、このネコはどちらの家にも来なくなる。この後、騒々しくも楽しい物語が展開していく。第一部はここまで。

第二部は「THE BIG TREE」である。サラとピーターは友達になった。しかし2人の生活スタイルは正反対。なかなか意見は一致しない。

しかし、やはり話の中心になるのはくだんの黒猫である。このネコをめぐってちょっとした冒険とハプニングが起きたりもするのだが、そこは楽しい物語なので、それなりにまとめてある。

まあ、こんな軽い話をときどき読むのもいいかな、と思わされた。
posted by 三毛ネコ at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

ピーターパン

「ピーターパン」                    ジェームス・マシュー・バリー
★★★★★



ウェンディは女の子で、両親と弟2人で幸せに暮らしていた。ある夜、そこにピーターパンという少年が現れる。家で飼っている犬がピーターパンの影を捕まえ、ウェンディの母がその影を箱の中に閉じ込めた。

ピーターはその後、自分の影を探しに戻ってくる。影を見つけるが、それを自分にくっつけることができない。そのことで泣いていると、ウェンディが目を覚まし、影をピーターの足に縫い付けてやる。ピーターはウェンディに、自分は大人になりたくなかったので両親のところから逃げ出し、妖精と一緒に暮らしていると言う。

そして、ウェンディに、一緒に来るように誘う。ウェンディと弟たちは、飛び方を教えてもらい、ネバーランドへと向かう。

長い時間飛んでやっとネバーランドにたどり着く。そこにはフック船長を始めとする海賊がいて、ピーターパンらの敵になっている。海賊たちはピーターパンたちに気づき、いきなり銃をぶっ放してきた。

ピーターパンたちは逃げて、バラバラになってしまう。海賊はロストボーイズ(ピーターパンの仲間たち)を探す。

フックたちは、ロストボーイズが遊ぶ湖に毒入りケーキを置き、殺そうと企む。

一方、妖精のティンカーベルはウェンディを嫌っており、ピーターの友人にしたくなかったため、嘘をついてロストボーイズにウェンディを弓矢で打ち落としてくれるように頼む。

そしてウェンディは、ロストボーイズの一人に心臓を打たれてしまう!彼女はどうなってしまうのか?

この後も、海賊とピーターやロストボーイズが戦ったり、湖でピーターが溺れそうになって、ネバーバードという鳥の巣をボート代わりにして助かったり。血湧き肉躍る(古い・・・)冒険活劇が展開していく。

子供のころのおぼろげな記憶を新たにしてくれる読書である。どんどん読んでいきたい。
posted by 三毛ネコ at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

アンデルセン珠玉童話選

「アンデルセン珠玉童話選」               アンデルセン
★★★★★



・THE STEADFAST TIN SOLDIER(錫の兵隊) 25体のすずの兵隊があった。一つのスプーンから作られていたので、彼らはみんな兄弟だった。その中に1体だけ片足がない兵がいた。最後に作られたため、すずが足りなかったのだ。彼らはある少年の持ち物だった。兵隊の周りには、紙の城、ガラスのかけらでできた湖、紙でできた踊り子の少女などがあった。片足の兵隊は、その踊り子に恋をする。しかし、彼には思いもよらない運命が待ち構えている。不器用だが、一途な愛を描いた短編である。

・THUMBELINA(親指姫) 小さい子供が欲しいと思っている女性がいた。彼女は魔法使いのところに相談に行き、特別なトウモロコシを植えれば子供ができると教えてもらう。その通りにすると、花が咲き、その中から親指ほどの大きさの女の子が出てくる。その子は親指姫と名付けられた。彼女は歌を歌ったり、水を張った皿に浮かべたチューリップの葉に乗ったりして遊ぶのだった。しかしある日、姫はヒキガエルたちにさらわれてしまう。そのヒキガエルの息子の妻にさせられそうになるが、そのことを知った魚たちの機転で救われる。その後も、親指姫に降りかかる過酷な運命。それでも、けなげに生きようとする姫の姿勢に心を打たれる。

・THE UGLY DUCKLING(醜いアヒルの子) あまりにも有名な話なので、あえてあらすじは書かない。しかし、子供の時は読み飛ばしてしまっていたが、大人になってから読むと、そのメッセージ性に気がつく。この話から私が連想したのは、「才能」である。ある子供は小さいころから才能の片鱗を見せる。そのまま大人物になる可能性もある。しかし、世の中には大器晩成型の人物もいる。この物語に出てくる「醜いアヒルの子」はまさにそういうタイプの子だと思うのだ。幼いころにパッとしないからといって諦めるのではなく、じっくりと時間をかけて才能を開花させてやることもできるだろう。この作品からは、そんなメッセージを読み取ることができた。
posted by 三毛ネコ at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月26日

オール・フォー・ラブ

「オール・フォー・ラブ」                 ジェレミー・タイラー
★★★★



エミリーは14歳の女の子。父親、兄と一緒に自転車でヨーロッパへの旅に出る。エミリーはイギリスに住んでいて、自転車の旅はオランダから始める予定である。

電車に自転車を積んで、ブリストルからロンドン、そしてリバプール。そこから、船でオランダへ!

エミリーの父、アランはトラベルライターで、この旅のことを新聞に書くことになっている。エミリーは父のことが大好きだ。

オランダに着き、いよいよ旅がスタートするが、たちまち道に迷ってしまう。そんなことにもめげず、旅は続いていく。オランダには自転車専用道路があるので、サイクリングも楽々!

その日、エミリーはレムコという少年に出会う。なかなか魅力的な少年のようだ。しばらく楽しいおしゃべりをして、エミリーは宿に戻る。翌日、エミリーはレムコに会い、チーズをプレゼントされる。エミリーはレムコをサイクリングに誘うが、彼はいいアイデアを思いついたと言って去ってしまう。

さて、この楽しそうな旅の行方は?レムコとエミリーの関係は発展するのか?・・・などと思わせながら、軽いタッチで話が進んでいく。

この小説の中にEメール用語が出てくる。「You」をUと書いたり、「your」をyrと省略したりするのである。私も外国人とメールのやり取りをすることがあるが、最初はメール独特の用語に戸惑った。しかし、慣れてしまえば簡単に読める。

最後まで読むと、単なる楽しいだけの小説ではないことが分かるのだが、全体としては軽い感じの作品である。
posted by 三毛ネコ at 13:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月21日

美女と野獣

「美女と野獣」                   ザンティスミス‐セラフィン
★★★★★



あるところに、金持ちがいた。6人の子にも恵まれ、幸せだったが、子供たちは成長するにつれ、変わってしまう。男の子たちは家のビジネスのことで争い、女の子たちは貪欲になった。

ただ一人、ビューティーという愛称の女の子は素直で優しく育ち、金持ちの父は彼女を特に愛した。

しかし、ある時、家が火事で焼け、父親の船が嵐で沈んでしまって、彼は全財産を失った。その結果、彼らは仕事を変えて農業をしなければいけなくなった。貧しい生活の中でも、懸命に家族を支えるビューティー。

そんな中で、父親の船のうちの一隻が嵐の中でも沈まなかったという知らせが入る。父親はすぐに港へと向かうが、上の2人の娘は贅沢な土産を買うように頼む。一方、ビューティーはただバラのつぼみだけを持ち帰ってくれるようにお願いする。

父親は帰りに、ある城に迷い込み、ビューティーのために一輪のバラのつぼみを切り取って持ち帰ろうとする。すると、醜い城主が出てきて、そのことにひどく怒る。そして、ビューティーを自分によこせというのだ。もちろん、父親はとんでもないと思うが、従うしか道がないことは分かっていた。

約束の日が来て、ビューティーは父と共に城に行く。城主の贈り物のおかげで父親は再び裕福になったが、ビューティーを城に置いて去らなければならなかった。

城主に殺され、食べられることを覚悟するビューティー。しかし、その醜い外見とは裏腹に、本当の城主は・・・

人間は顔ではない、とよく言う。しかし、実際は外見で判断されることが多いのも事実だ。だが、外見と中身は同じとは限らない。この物語は、おそらくリライトされていなければ、うわべに惑わされない本物の愛を描いた傑作だと言える。
posted by 三毛ネコ at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

バラク・オバマストーリー

「バラク・オバマストーリー」                ニーナ・ウェグナー
★★★★★



オバマ元大統領の伝記。

オバマはハワイで生まれた。母がアメリカ人、父はケニア人。父はハーバード大で経済学を学び、エコノミストとして活躍した。母親もハーバード大大学院で人類学を学び、博士号を取っている。オバマが優秀なのにも納得がいく。

しかし、オバマの父親は決して恵まれてはいなかった。アフリカではブリキ屋根の学校に通っていた。そこからエコノミストに。まさにアメリカン・ドリームの見本のような人物である。だが、オバマが生まれてから両親は離婚した。その後、しばらくして母は再婚した。そしてオバマ一家は継父ロロの故郷であるインドネシアでしばらく暮らす。

そこでの教育では不十分だという母親の考えで、オバマはハワイで教育を受けることになる。ハワイの難関学校に入るのだが、その頃から、自分がアフリカ系であるために、孤独感を持つようになる。勉強をサボってバスケットボールに夢中になったりもするが、それで問題が解決しないことにも気がついていく。

そんな状況でも、クラスでトップの成績で学校を卒業する。

そしてハワイの大学からコロンビア大学に編入する。その間も自分が何者なのかというアイデンティティーの問題と直面していくことになる。大学を卒業して仕事に就くが、自分は人を助ける仕事がしたいことに気づき、転職する。

それから、アフリカへ自分のルーツを探る旅に出て、異母きょうだいと出会い、自分のアイデンティティーを確立する。

その後、多くの人を助けるためには法律を学ぶべきだと考え、ハーバードのロースクールに入る。そこでも優秀な成績を収めたようだ。その後は、実際に読んでいただきたい。

この本を読むと、オバマは若いころから、金を儲けるよりも人を助けるボランティア精神が強かったことが分かる。人格者だったのだ。

リライトされた英文で感動するはずがない、と思っていたが、この本にかなり心を動かされたことは事実だ。

現在のアメリカの混乱ぶりを見ると、オバマとトランプの差がより際立つ。この本の最後にオバマの就任演説の全文が載っているのだが、その演説を最初に聴いて、新聞に載った全文を読んでみたときに感動した。やはりオバマは演説の名手だと思う。

お勧めの本である。
タグ:多読 英語 伝記
posted by 三毛ネコ at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月27日

フィヨルド殺人事件

「フィヨルド殺人事件」                       スティーヴン・スペイト
★★★★



ノルウェーのフィヨルドを見に来た一組の夫婦。周りには誰もいない。絶壁のところで夫婦は立ち止まり、妻は、怖いから戻ろうと言う。しかし夫は、重いカメラを妻に巻き付け、絶壁から下に突き落とす。

しかし、下にはボートに乗った2人の子供がいた。彼らは女性が水の中に落下するのを見た。そして、水の中からカメラのフィルムを拾う。子供たちは警察に通報する。警官は彼らと一緒に現場と思われる場所に行き、ガラスのかけらを見つける。そして、青い毛糸も。警察はこれを事件とみて、捜査することを約束する。

子供の一人、ポールはフィルムを現像してもらうために写真屋に行く。写真の大部分は風景などを写したものだったが、興味深い写真が2枚あった。そこに写っていたのは・・・

犯人は完全犯罪をやり遂げたと思っている。確かにその通りで、証拠はほとんど残っていない。しかし、ポールという子供は刑事顔負けの推理をしてみせるのである。手がかりを追うポール。果たして、彼は犯人の元に辿り着くことができるのか・・・?

推理小説のようだが、犯人は最初から分かっている。フーダニットではなく、子供たちや警察がどうやって推理し、犯人に迫っていくのかが読みどころ。それなりに楽しめる小説である。
タグ:小説 多読 英語
posted by 三毛ネコ at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする