2007年12月30日

文体とパスの精度

「文体とパスの精度」          村上龍、中田英寿
★★★★



有名作家とヨーロッパで活躍中のサッカー選手の対談集。

読んでみると、中田も村上も、非常に「個」を大切にする欧米的な人間という印象を受ける。だから、冷たい、クールなどと言われるのだろう。

しかし、彼らが国会で敬語をなくせと言っていることには疑問を感じる。まるで、日本がすべての面で欧米化すべきで、なおかつそれが正しいと言っているかのようだ。だが、欧米が中心になって作り上げてきた社会、価値観を真っ向から否定したのがあの9/11のテロではなかったのか。現在のグローバリズムは、世界中を欧米化しようとすることにほかならない。村上龍の論調は日本的なものすべてを否定したいかのように思われる。だが、異なる国には異なるやり方があり、それがうまくいっていることもあるのだ。日本にも独自の考え方、やり方がある。何もかも否定する必要はないだろう。

この本では、サッカーの話題が中心なのだが、それを通して、日本という国の既成の枠組みを脱した2人の、日本に対する批判や考察が多く見られ、面白い。とても自由な感じを受ける。2人とも、自分というものをしっかりと持っているからだろう。
posted by 三毛ネコ at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 対談集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする