2017年05月08日

よだかの星

「よだかの星」                          宮沢 賢治
★★★★★



よだかは醜い鳥である。体色は地味、ブサイクな顔。他の鳥はみんなよだかを嫌っていた。よだかは他の鳥から避けられ、悪口を言われていた。よだかは「たか」という名は付いているが、本当のタカ(タカ目)ではない。タカほどの力がないため、他の鳥はよだかを恐れないのだ。

ある夜、タカがよだかのところにやって来て、自分とよだかでは全く違うので、名前を変えろと言う。よだかは自分の名は神からの贈り物なので、変えることはできないと反論する。タカは、名前を「イチゾウ」に変えろと主張する。そして他の鳥に、改名したことを説明して回れと言う。もし明後日の朝までにそうしなければ、よだかを殺すとまで言う。

よだかは思う。確かに自分は醜いが、何か悪いことをしたわけではない。それなのに、なぜこんなに嫌われるのか。

そして、よだかが取った行動とは・・・

子供のころに読んだが、改めて読むと、よだかは典型的ないじめられっ子である。タカはいじめっ子。他の鳥はそれを面白半分で見ている。

宮沢賢治はこの物語でこう言いたかったのだろう。いじめられていても、自分の目標を見つけ、それに向かって進んでいけば、いつか達成できる、輝くことができる。だから、自分だけの夢を見つけて、それに向けて行動しよう。そうすれば、自分の欠点も克服することができるよ、と。

賢治は、そんなメッセージをこの物語に託していたのだろう。

そんなことが分かるのも名作再読の良さですね。
posted by 三毛ネコ at 06:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

フランダースの犬

「フランダースの犬」                          ウィーダ
★★★★★



主人公はネロとパトラッシュ。祖父のジェハンじいさんのもとで育った。家は貧しかったが、ジェハンはネロを愛していた。ネロは、純粋で親切な少年だった。

大型犬のパトラッシュも2人にとって重要な存在だった。パトラッシュは彼らの全てだった。

パトラッシュはまだ若いころから重い荷車を引っ張る仕事をさせられていた。主人は乱暴な男で、エサも水も与えずにパトラッシュをこき使った。少しでも休めばムチが飛んでくる。ある時、ついにパトラッシュは力尽きて倒れ、動けなくなった。主人はパトラッシュがもう死にかけていると思い、道ばたに捨てていった。

そこを通りかかって命を救ったのがネロとジェハンだった。2人の世話によってパトラッシュは元気を取り戻す。

そして、ジェハンがミルク缶を荷車で運ぶのを手伝うようにもなる。ネロも6歳になり、パトラッシュと共にミルクを売りに行く仕事ができるようになった。ジェハンじいさんは自分で売りに行く必要がなくなった。ネロたちは貧しかったが、とても幸せだった。

ネロはよく教会に行っていた。そこには布で覆われた宗教画があり、ネロはそれを見たいと切望していた。金持ちだけが、金を払って見ることができたのだ。

ネロには誰も知らない才能があった。絵を描くことである。石にチョークで絵を描いていたのだが、それを知っていたのはパトラッシュと女友達のアロアだけだった。

だが、貧しいために、ネロは困難に直面することになる。少年の画家になる夢と、あまりにもかけ離れている現実。そんな様子が描かれる。つらい出来事も経験する。それを乗り越えて、ネロは幸せをつかむことができるのか・・・?

アニメ版のラストシーンは多くの人が知っているだろうが、英語版の方はどうなっているのか。それは読んでのお楽しみ。

貧しくても、正直な生き方を貫こうとするネロと、そこに寄り添うパトラッシュ。

美しくも、悲しい物語である。
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2017年04月24日

二つの名前を持ったネコ

「二つの名前を持ったネコ」                  アラン・ポズナー
★★★★



緑の目の黒猫がいた。なぜかそのネコはテイラー家では「マーティン」というオスの名前、ジョーンズ家では「ティナ」というメスの名で呼ばれている。

ある朝、テイラー家に現れたこのネコは、「ピザ」と言うのを聞いて、主人公の1人、サラにほほえみ、うなずいた。そしてピザを平らげ、リビングで眠ってしまう。しばらくして起きてきたサラの両親に「マーティン」と名付けられる。

そしてある夜、ジョーンズ家に現れたこの黒猫は、冷蔵庫の前に座り、動かない。ジョーンズ家の子供、ピーターはネコの晩ご飯としてツナ缶をやる。ピーターが学校で同じクラスの「ティナ」という名前をそのネコにつけたのだ。

二重生活を楽しむ黒猫。テイラー家では気ままな生活をして、ジョーンズ家では規則正しい食事と新聞、ビデオ(特に、トムとジェリー)を楽しむ。

しかし、ある時、このネコはどちらの家にも来なくなる。この後、騒々しくも楽しい物語が展開していく。第一部はここまで。

第二部は「THE BIG TREE」である。サラとピーターは友達になった。しかし2人の生活スタイルは正反対。なかなか意見は一致しない。

しかし、やはり話の中心になるのはくだんの黒猫である。このネコをめぐってちょっとした冒険とハプニングが起きたりもするのだが、そこは楽しい物語なので、それなりにまとめてある。

まあ、こんな軽い話をときどき読むのもいいかな、と思わされた。
posted by 三毛ネコ at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

ピーターパン

「ピーターパン」                    ジェームス・マシュー・バリー
★★★★★



ウェンディは女の子で、両親と弟2人で幸せに暮らしていた。ある夜、そこにピーターパンという少年が現れる。家で飼っている犬がピーターパンの影を捕まえ、ウェンディの母がその影を箱の中に閉じ込めた。

ピーターはその後、自分の影を探しに戻ってくる。影を見つけるが、それを自分にくっつけることができない。そのことで泣いていると、ウェンディが目を覚まし、影をピーターの足に縫い付けてやる。ピーターはウェンディに、自分は大人になりたくなかったので両親のところから逃げ出し、妖精と一緒に暮らしていると言う。

そして、ウェンディに、一緒に来るように誘う。ウェンディと弟たちは、飛び方を教えてもらい、ネバーランドへと向かう。

長い時間飛んでやっとネバーランドにたどり着く。そこにはフック船長を始めとする海賊がいて、ピーターパンらの敵になっている。海賊たちはピーターパンたちに気づき、いきなり銃をぶっ放してきた。

ピーターパンたちは逃げて、バラバラになってしまう。海賊はロストボーイズ(ピーターパンの仲間たち)を探す。

フックたちは、ロストボーイズが遊ぶ湖に毒入りケーキを置き、殺そうと企む。

一方、妖精のティンカーベルはウェンディを嫌っており、ピーターの友人にしたくなかったため、嘘をついてロストボーイズにウェンディを弓矢で打ち落としてくれるように頼む。

そしてウェンディは、ロストボーイズの一人に心臓を打たれてしまう!彼女はどうなってしまうのか?

この後も、海賊とピーターやロストボーイズが戦ったり、湖でピーターが溺れそうになって、ネバーバードという鳥の巣をボート代わりにして助かったり。血湧き肉躍る(古い・・・)冒険活劇が展開していく。

子供のころのおぼろげな記憶を新たにしてくれる読書である。どんどん読んでいきたい。
posted by 三毛ネコ at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月10日

錦織圭物語

「錦織圭物語」                          松丸さとみ
★★★★



日本のスターテニス選手、錦織圭の伝記である。

彼は島根県の松江で生まれた。テニスを始めたのは5歳の時。すぐに夢中になった。錦織の才能に気づいた両親は、地元のテニススクールに通わせる。そのスクールのコーチは、錦織は1000人に1人の逸材だったと言う。錦織は子供のころから世界ランク1位になることを目指していたらしい。そして、世界で戦うには英語が必要なので、小学1年生のときから英語塾に通い始めた。

11歳の時、あの松岡修造が主宰する「修造チャレンジ」に参加する。そこで高校生を破って注目される。松岡は、錦織が成功すると確信していたので、あえて厳しく接した。

その後、中学1年生でアメリカのIMGアカデミーに入る。あのアガシやシャラポワといったトップ選手を輩出したアカデミーである。その時のコーチは錦織を、「フォアハンドには威力があるが、ボレーが弱く、サービスの技術は初心者」と評した。

しかし、IMGアカデミーの受講料は750万〜850万円と高い。幸い、日本のファンドが金を出してくれた。

そしてアメリカでの生活が始まる。しかし、やはり最初は言葉も通じずに苦労したようだ。そんな中でも、「世界一になりたい」ということだけははっきりと主張していた。アカデミーでは、勉強とテニスの練習を両立させていたようだ。だんだん筋肉が付き、体もできてきて、動くスピードが上がった。

その後錦織はジュニア・フレンチ・オープンで優勝。シニアの大会でも優勝し、17歳でプロになる。ランキングも順調に上がっていくのだが、絶えず悩まされるのがケガである。ヒザ、ひじ、下腹部・・・しかし、錦織はそのケガも乗り越える。

その後、特筆すべきはマイケル・チャンコーチとの出会い。チャンは錦織の、試合に臨む考え方を変えた。そして、ついにランキングベスト10の壁を破る。その後の活躍は皆さんご存じの通りである。

さらにレベルアップしていけば、あと何年かは活躍できるだろう。その間に、四大大会で優勝してもおかしくない。その日を楽しみにして応援したい。
posted by 三毛ネコ at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする