2017年10月29日

不思議の国のアリス

「不思議の国のアリス」            ルイス・キャロル
★★★★★



主人公のアリスは川べりに座って退屈だった。お姉ちゃんの本を覗いてみても、絵も会話もない本で、つまらない。そこへ、なぜかとても急いでいる白ウサギが通りかかり、興味を持ったアリスは後を追う。ウサギは走ってウサギ穴の中に入り、アリスも続く。穴の中の壁は本棚で一杯だった。そしてアリスは穴深くにどんどん落下していく。地球の裏側に出るのではないかと思いながら。

ようやく落下が止まると、そこは不思議の国だった。そしてアリスは鍵のかかったドアだらけの部屋に取り残される。部屋から出ることができず、困ってその部屋にある液体を飲むと、体が小さくなった。それでも部屋から出られず、そこにあった小さなケーキを食べると、また元の大きさに戻る。

そんなドタバタがあり、白ウサギには召使いと間違えられ、手袋とうちわを持ってくるようにいわれる。その途中で、アリスはまた、発見した液体を飲み、部屋いっぱいまで体が大きくなってしまう。どうにもならなくなって困り、そこにあったケーキを食べて体が小さくなり、やっと外へ出られる。さて、この不思議の国でアリスはどうなってしまうのか。彼女を待ち受ける運命は?

その後も、タバコをふかすイモムシが出てきたり、魚の顔の従僕が現れたりと、奇想天外な話が展開する。

作家の想像力のたくましさを存分に堪能した一冊だった。
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2017年10月21日

日本の経済

「日本の経済」                 小林 佳代
★★★



日本の経済を解説した本。といっても、2005年に出た本なので、最新の経済状況については書かれていない。

戦後の日本の再建は傾斜生産方式で始まった。石炭や鉄鋼などの第一次産業に力を入れたのである。そして、1956年には経済白書に、有名な「もはや戦後ではない」という言葉が現れる。

所得倍増計画の下、GNPは2倍になった。東京オリンピックも開かれ、1968年にはGNPで世界2位になる。

もちろん、いいことばかりではなく、水俣病やイタイイタイ病の発生など、経済発展の陰の側面もあるのだが。

1980年代後半には「バブル経済」が到来する。そのころは、地価は絶対に下がらないという「土地神話」がまかり通っていた。しかし、政府や日銀がバブルを抑えようとしたことが原因で、バブルは崩壊する。それから、失われた10年に入って今に至るわけだ。

ほかにも、日本独自の管理システムについても説明されている。株式持ち合い、メインバンクシステム、トヨタのカイゼンとカンバン方式など。

戦後、官僚が主導して日本を発展させてきたことも説明されている。しかし、規制緩和や産業の自由化につれてそのシステムも変わっていった。

改めて日本経済の変遷を見ると、いい時代だったのだな、と思う。景気は右肩上がり。年功序列で地位や給料が上がっていく。今では考えられない話である。それに比べると、現在は激動の時代と言えるだろう。IoT、人工知能、シェアリング・エコノミー……。時代が、生活のあり方が大きく変わろうとしている。そんな今を生き抜く大変さをしみじみ感じさせられた本だった。
ラベル:リライト 多読
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2017年10月14日

エドガー・アラン・ポー傑作短編集

「エドガー・アラン・ポー傑作短編集」        エドガー・アラン・ポー
★★★★★



エドガー・アラン・ポーの短編集である。

・アモンティラードの樽 「私」はフォルチュナートという人物にひどい目に遭わされてきたので、その復讐をするつもりである。「私」は謝肉祭の時期にアモンティラードという特別なシェリー酒を手に入れたとフォルチュナートに言い、自分のワインセラーに彼を連れて行く。「私」が思いついた復讐とは…なかなかブラックな話である。超短編だが、毒はたっぷり。

・アッシャー家の崩壊 アッシャー家に数週間泊まることになった「私」。その家は灰色の壁、目のような窓、枯れつつある木により、見ただけで心が重くなる外観だった。アッシャーと「私」は親友だった。そんなおどろおどろしい家に入っていく「私」。久しぶりに会ったアッシャーはひどく変わっていた。「私」はアッシャーをなんとか元気づけようとするのだが、彼の中には決して変わらない暗い部分があった。滞在中、アッシャーの双子の妹、マデラインが亡くなり、遺体は地下室に置かれるが……重苦しい雰囲気で、ホラー感に満ちた作品である。

・モルグ街の殺人 世界初の名探偵、デュパンが活躍する作品である。夜が好きな名探偵。ある日、レスパネ夫人という女性とその娘が殺される。事件当時、周辺にいた人々は誰かの声を聞いたという。ある人はロシア語のようだったと言い、別の人はドイツ語だったと言う。そして、死体があった部屋は密室だった。デュパンはこの謎を解くことができるのか?論理的に考え、推理を積み上げていくあたりは、まさに名探偵である。本作は、推理小説の原点とも言われているそうだが、まさに古典的ミステリーの王道を行くような作品であり、真相にも意外性がある。非常に楽しめた。
posted by 三毛ネコ at 13:46| Comment(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

オペラ座の怪人

「オペラ座の怪人」                 ガストン・ルルー
★★★★★



パリ、オペラ座の支配人、ドビエンヌとポリニーはダンサーの1人からオペラ座でゴーストを見たという話を聞く。ある女性は、それは骸骨の姿だったという。別の人は、目はブラックホールのようで、鼻はなかったという。そして、怪人のためにオペラ座のボックス席5番がいつも空けてある。

その時、オペラ座では「ファウスト」が上演されていた。しかし、オペラの主役女優が具合が悪くなり、若手女優のクリスティーヌが主役に抜擢される。大役を果たし、失神したクリスティーヌ。控室で意識を取り戻し、謎の力強い男の声を聞く。その声に答えるクリスティーヌ。しかし、男の姿は見えなかった。

そしてオペラ座の支配人はモンシャルマンとリシュールに代わる。最初は、2人とも「オペラ座の怪人」はジョークだと思っていたのだが、そうではないことが分かってくる。

ラウルという子爵がクリスティーヌを愛していた。そして、オペラ座の怪人も同じ気持ちだった。クリスティーヌはどちらのものになるのか。そして、この話はハッピーエンドを迎えるのだろうか。

この話もなんとなく知ってはいたのだが、半分以上は知らないストーリーだった。怪人の企みに巻き込まれていくラウル。後半にはハラハラさせられるシーンも盛り込まれている。何度も映像化・舞台化されただけあって、リライトされていてもなかなかの傑作である。
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2017年09月24日

宝島

「宝島」                R・L・スティーヴンスン
★★★★★



主人公の少年、ジムの両親は「ベンボー提督亭」を経営している。老いた水夫がそこに滞在していた。ジムたちはその水夫を「キャプテン」と呼んでいたが、あるひ、ある男がキャプテンを訪ねてくる。その男を見て、キャプテンは顔面蒼白になる。2人は話をするが、キャプテンはその男を短剣で切りつけ、追い払った。

しかしその後、キャプテンは脳卒中を起こして倒れた。その後、船乗りの格好をした別の(盲目の)男がキャプテンを訪ねてきて、その直後にキャプテンは死んでしまう。ジムと母親はキャプテンの持ち物を調べ、「宝島」の地図を発見する。盲目の男、ピューもその地図を探していたが、一足遅かった。この男たちは海賊だったのだ。その地図には、海賊フリント船長が宝を隠した場所が記されていた。ジムたちはその島に行くことに決める。

ここから、皆さんの多くがご存じの冒険活劇がスタートするわけである。宝の地図、そこに書かれた意味ありげな言葉、そして海賊・・・これで面白くならないわけがない。

世界中がすっかり冒険され尽くした現在では、この小説のような夢を膨らませることは難しい。しかし、そんなロマンを一度は感じてみたい。そのような感想を持たせてくれる名作である。
posted by 三毛ネコ at 16:21| Comment(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする