2017年08月25日

Number 9/28

「Number 9/28」
★★★★



サッカーのW杯出場を賭けたオーストラリア戦が迫っている。

巻頭言はオシム元日本代表監督。オーストラリアは優れているが、日本も悪いチームではなく、相手に警戒されるべき存在だという。必要以上に悲観的にならず、勝つために全ての力を尽くし、すべてを試みるべきだと主張する。

日本代表の長谷部も似たようなことを言っている。日本は現在グループ首位で、ホームで自力でのW杯出場を決められるチャンスがある。だから、いい意味で「楽観的」になるべきだというのだ。

福西崇史の「オーストラリアに勝つ方法」も興味深い。現在のオーストラリアは粘り強く、パスをつないで崩すサッカー。しかも、その完成度は右肩上がりに高まっている。そんな中で日本が勝つ方法とは。福西は、前線からプレスをかけて、サイドの高い位置に起点を作り、相手のサイドを下げさせるべきだと主張する。攻略のキーマンに挙げるのは香川。香川の特長をオーストラリアは嫌がるはずだ、という。

次の試合が大一番となる。オーストラリア戦で決められなければ、アウェーでサウジとの最終戦が待っている。不可解な判定があるかもしれないし、何が起こるか分からない。だからこそ、次で決めておきたい。代表候補の選手たちはそれぞれの決意を胸に、豪州戦に臨もうとしているようだ。

そんな覚悟を感じ取れた今号だった。
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2017年08月19日

チップス先生さようなら

「チップス先生さようなら」            ジェームズ・ヒルトン
★★★



ブルックフィールド校に勤める教師、チップス先生。彼が新米教師として働き始めるところから物語は始まる。コリーという生徒が、初めてチップス先生が教師として罰を与えた生徒だったのだが、チップスはその子、孫までも受け持つことになるのだ。

チップス先生の部屋は簡素で、教師の部屋らしく、いくらかの本とスポーツの賞などが置いてあった。本はクライム・ノベル、ライトノベル、歴史の本など。

時が経ち、チップスは48歳になった。ある日、グレートゲーブルという山に登っていて、チップスは1人の若い女性が手を振っているのを見た。彼女が何か危機的な状況にあると思って、急いでそこへ行こうとしたが、足を滑らせて自分の足を痛めてしまう。実際は、その女性は友達に手を振っていただけだったのだ。

チップスは歩くことができず、その女性の助けが必要だった。彼女の名はキャサリン。看護師である。彼女は美しく、2人はすぐに恋に落ち、結婚する。

それから、チップス先生は変わった。ユーモアがより上質になり、考え方が紳士的で賢明になったのだ。キャサリンはとても頭のいい女性だった。彼女はチップスの考え方にも影響を与えていく。彼女の考えを受け入れ、チップスはロンドンの生徒たち(ブルックフィールド校の生徒に悪い影響を与えると思われていた)とサッカーの交流試合をする。別に問題は起こらなかった。

チップスは、10回に1回ぐらいはキャサリンの言うことを聞かなかったのだが、後になってみるとアドバイスを聞いていた方が良かった、と思うことも多かった。

そんな彼も老いていく。が、生徒に対するユーモアのセンスは忘れなかった。こんな風にして、ブルックフィールド校での教師としての日々が描かれていく。

しかし、難しい・・・。全く知らない話ということもあるが、具体的な表現より、抽象的な言い回しの方が多いので、内容がなかなかスッと頭に入ってこない。イギリスらしいユーモアとウイットにあふれている、と紹介されているが、そんなものはほとんど感じ取れない。それでも後半は少し読みやすくなった。

間違いなく、今までのラダーシリーズで一番難しい作品だった。
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2017年08月12日

ロビンソン・クルーソー

「ロビンソン・クルーソー」         ダニエル・デフォー
★★★★★



ロビンソン・クルーソーは小さいころから海に出てみたかった。18歳になると、船乗りになる決心をして家を出る。そして1年後、船に乗ることになる。船旅の後、ロンドンに着いて、次にアフリカに向けて出発する。

しかし、カナリア諸島のあたりで海賊に襲われる。そして海賊にサリー港というところに連れて行かれ、ロビンソンはトルコ人の海賊の奴隷にされる。それでも、小舟に乗せられている時に隙を見つけて海賊を海に突き落とし、その船で逃げる。

その後、ブラジルで農園を経営し、成功する。だがある時、乗っていた船が嵐に遭い、無人島に漂着する。生き残ったのはロビンソン1人だった。

船から使えそうな物を全て島に運び、無人島生活が始まる。

安全な場所を見つけて寝床を作ったり、野生のヤギを捕って食べたり、いやはや無人島で生き延びるのも大変である。

無人島での生活は厳しかったが、神への祈りと聖書が支えになった。ロビンソン・クルーソーはこの状況を切り抜け、祖国へと戻れるだろうか。

実際に生活するのは大変だろうが、小説として読んでいる分にはエキサイティングで面白い。人間が生きるには様々な物が要ることに改めて気づかされる。そして、人間のタフさと生命力を感じさせてくれる作品になっている。
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2017年08月05日

盲導犬クイールの一生

「盲導犬クイールの一生」             石黒 謙吾
★★★★★



1986年6月、ジョナサン(後のクイール)は生まれた。ラブラドール・レトリバーである。生まれた5匹の子犬の中で、ジョナサンは最も静かな犬だった。ジョナサンの父親のマックは何匹もの盲導犬の親だった。ジョナサンには盲導犬の血が流れていたといえる。その頃(今でもそうだが)、視覚障がい者に比べて、盲導犬の数は圧倒的に足りていなかった。

飼い主のレンは子犬たちを盲導犬にしたいと考え、訓練士の悟(さとる)に子犬を見せる。悟が選んだのはジョナサンと、アンディという子犬だった。レンはジョナサンに盲導犬の訓練を受けさせることに決めた。

そしてジョナサンは、パピーウォーカーの仁井夫婦に預けられる。その時に、ジョナサンは「クイール」という名前になった。そして8か月後、クイールは仁井夫婦と別れ、訓練を受けることになる。

クイールは、動く前にまず考える犬だった。そのため、他の犬より行動が一呼吸遅れるのだ。クイールは、能力の点では普通だが、従順でくせのない性格が盲導犬向きだったという。クイールは無事訓練を終えて、一人前の盲導犬として活躍することができるのか?この続きは本書で。

盲導犬になるためには、生まれ持った性格が重要であるようだ。賢ければいい、という訳でもない。なかなか狭き道なのだ。それだけでなく、盲導犬の訓練士になるのも大変である。100人が訓練士としてトレーニングを受けて、最後まで残ったのはたった13人だったという。

そんな厳しい訓練の末に、視覚障がい者の役に立つ盲導犬が養成されていく。もっと盲導犬の数を増やし、多くの人がその恩恵を受けられるようにしてほしいものだ。そんなことを考えさせられた。
posted by 三毛ネコ at 11:04| Comment(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月29日

星の王子さま

「星の王子さま」                        サン=テグジュペリ
★★★★★



「僕」はパイロットで、6年前にサハラ砂漠に不時着する。飲み水は8日分しかなかった。そこで「僕」は小さな少年と出会う。彼は「絵を描いて」と頼む。それが小さな王子さまとの出会いだった。

王子はどうやら他の星から来たらしい。その星は非常に小さい。トルコ人の天文学者がその星を発見したのだが、トルコの民族衣装を着ていたため、誰も彼の言うことを信じなかった。大人は外見や肩書きで人を判断する。

また、大人は数字が好きである。身長は何センチか、両親はいくらお金を稼いでいるか、どれくらいの価値の家に住んでいるか、など。本当に大事なのはそんなことではない、とこの本は主張する。どんな声をしているか、何のゲームが好きか、蝶を集める趣味があるかといったことのほうがよほど大事なのだと。

そして王子の一人語りが続く。彼は6つの星を訪れ、それから地球にやって来たのだ。1つ目の星では、王様がとても小さい星を支配していた。そこに住んでいるのは、王様とネズミ1匹。しかし、王様は全てを支配しているという。誰もいない星で、権力に何の意味があるのだろうか?

次の星では、虚栄心の強い男が、自分を賞賛しろと言う。彼以外に誰もいない星で。

3つ目の星にいたのは、酒を飲み続ける男。酒を飲むつらさを忘れるために飲み続けているという。

4つ目の星でも、王子は理解しがたいふるまいをする大人に出会う。そして王子は考える。「大人というのはなんて奇妙なのだろう」と。

第5、6の星を経て王子は地球にたどり着く。そして人を探し、あちこちを歩き回る。そこでキツネに出会い、「本当に大切なことは目には見えないんだ」と言われる。

決して幸せには見えない大人たち。本当に大事なことを知っている王子。いろいろなことを示唆してくれる物語だった。
posted by 三毛ネコ at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ラダーシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする