2016年11月19日

Number 11/25

「Number 11/25」
★★★★



日本代表、サウジアラビア戦勝利。勝っただけではなく、内容も良かった。高い位置でプレスを連動して掛け、相手に思うように攻撃させない。ボールを奪ったら素早く攻撃に移る。4試合連続ゴールを決めた原口も、やっとハリルが言う「デュエル」の部分が発揮できたと言っている。

清武や大迫の記事もあるが、本田や岡崎に替わって彼らが活躍したのも大きい。

そして原口の記事もある。2014年から肉体改造を始め、ケガをしない体作りをしてきた。そして、トレーニングの内容や身体のケアを手帳に細かく記していた。そんな地道な努力が実り、現在の活躍につながっているのだろう。

「ハリルホジッチの頭の中」と言う記事も印象に残った。ハリルが学ぶものがある、と言うのは今年のEUROの決勝トーナメント1回戦でイングランドを破ったアイスランド。勇敢に全力で戦い、組織的なスピリットが高く、良い守備をする。ハリルのサッカーの方向性はスペインよりアイスランドなのだ。

そして、日本人はおとなしいと指摘している。試合では、感情を爆発させ、表現していかないとやられてしまうと言う。

その点でも、サウジ戦は良かったと思う。プレーしている選手はみんな必死で走り、しっかりと守備をし、攻守の切り替えも速かった。絶対勝つという気持ちが前面に出た試合だった。

後半戦も厳しい試合が続くが、サウジ戦のような日本代表なら大丈夫。きっと、ロシアW杯への切符をつかめるだろう。
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2016年11月12日

一千兆円の身代金

「一千兆円の身代金」                    八木 圭一
★★★



現在の日本の借金、約1000兆円。元副総理の孫が誘拐され、身代金はなんと1000兆円!

日本の財政状態に危機感を持ち続けている者としては、この小説はまさに「我が意を得たり」であった。今まで皆が直面したがらなかった問題を真っ向から指摘している。日本の将来を憂えるメッセージがこの本にはあふれている。しかし、あまり意外な結末ではない。3分の2ぐらいで先が読めてしまう。

ただ、日本に対する警告、問題提起という意味では十分にその役割を果たしていると言える。エンターテインメントという形を取っているので、誰でも気軽に読めるところもいい。政治家にはぜひ読んでもらいたい1冊。
タグ:小説
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2016年11月05日

失われた黄金都市

「失われた黄金都市」                     マイケル・クライトン
★★★★★



主人公はエリオットとカレン、それにゴリラのアミーである。カレンの会社のキャンプのメンバーが全滅した。原因は不明。真相を探るべく、彼女たちはコンゴへ向かうことになる。ちなみに、アミーは手話ができる。

アフリカには財宝がごろごろある失われた都市があるという伝説があるのだ。一行はそれを確かめるためにも現地に向かう。手に汗握る大冒険、果たして結末は…

アミーは手話で人間と話ができる。信じられない人もいるかもしれないが、私はそれは可能だと思う。実際、人間とちゃんと話せるヨウムも存在する。それなら、はるかに頭がいいゴリラが人間と話せるのは不思議ではない。

ハイテクと最新の科学知識を使ったストーリーの展開は著者の得意とするところ。この本にもそれは余すところなく発揮されている。現代の冒険はハイテクを駆使するのだ。内容は冒険小説なのだが、クライトンらしく、単なる冒険だけではない。いろいろな要素が詰まっている。

地球はどこも探検しつくされた感があるが、この本を読むとまだまだ未開の地もあることに気づかされる。

動物の専門知識が得られ、アクションも楽しめるこの作品、読んでみて損はない。
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2016年10月31日

スフィア―球体

「スフィア―球体」                       マイケル・クライトン
★★★★★



主人公はノーマン。心理学者である。ある日,突然海軍が彼を迎えに来て,彼は太平洋のど真ん中に連れて行かれる。そこにあったのは・・・何と,300年前の宇宙船!いったい,どういうことなのか。そして,ストーリーが進むにつれて,話は意外な方向へ・・・

ドレーク方程式や,海洋生物の知識など,クライトンらしく科学知識をうまく小道具として生かしながら話が進んでいく。Kindleで英語で読んだのだが,実はこの小説,2,3回日本語で読んでいたのでスラスラ読めた。あまり難しい単語も出てこない。改めて英語で読んでみると,その構成のうまさ,独創的なアイデア,科学知識の散りばめかたなどに感心する。天才の仕事としか言いようがない。

また,日本語版ではかなりの意訳をしているところもあって感心させられる。翻訳でも十分面白かったのだから,この翻訳者はかなりの腕なのだろう。

確かな科学の専門知識+批評性+先見性と創造力=クライトンの作品,と言える。彼の作品はエンターテインメントとして優れているばかりではなく,常に我々に疑問を投げかける。科学のあり方はこれでよいのかと。

彼が死んでしまった今,私たちはより科学力の使い方について注意を払わなければならないだろう。

クライトンが残したメッセージは重い。
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2016年10月22日

命の遺伝子

「命の遺伝子」                       高嶋 哲夫
★★★★



トオル・アキツが主人公。ドイツのベルリンから物語は始まる。彼は遺伝学者である。

そのころ,ネオナチの集会で爆発があった。ナチスの戦犯を追っている組織が,爆発の後,ある人の手首を回収した。その人物の推定年齢,112歳。しかし,その手首を見る限り,彼は40代としか思えない。いったいどうなっているのか・・・

最初に提示された謎に加え,アクション・シーンもあり,エンターテインメントとしては十分に成立している。引きこまれて最後まで,というほどではないが,楽しみながら読める。文章もすっきりしていて読みやすい。ただ,遺伝子スリラーとしては最高のものとはいえない。私が読んだ作品の中では,「イエスの遺伝子」が傑作だった。イエス・キリストの遺物からDNAを採取し,その「いやし」の秘密を知ろうとする話である。その面白さに,一気に読んでしまった記憶がある。

それほどではないが,この小説のテーマも悪くはない。十分に読ませる力は持っている。

ある登場人物が言う。「人は死があるからこそ人と言えるのです」と。私たちはみんな不老不死を願う。しかし,それが実現した時,果たして幸せといえるのか。家族も友人も子供も,もちろん師と呼べる人も,すべて死んでいく。しかし,自分だけは生き続け,愚かな人間たちの営みを見続けなければならない・・・そう考えた時に,死は恐怖であると同時に一種の救いでもあることに気が付く。

私はクリスチャンであるが,やはり神の意思に逆らってまで生きたいとは思わない。人間らしい死が迎えられればいい。それが神の望みならば・・・

この本のテーマは根元的で,重い。
posted by 三毛ネコ at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする