2016年06月04日

Number 6/16

「Number 6/16」                   
★★★★



大記録がいよいよ近づいてきた(メジャー通算3000本安打まで37本、日米通算安打世界記録まで15本、2016年6月2日時点)イチロー。

今シーズン、4月16日のブレーブス戦6回、イチローは代打で出場するはずだった。しかし、相手が左投手に交替すると、マーリンズの監督はイチローに右打ち選手の代打を送ったのだ。結局その采配は失敗に終わったが。

しかし、翌日の試合、6回からセンターに入ったイチローは2安打1打点1盗塁の活躍。前日の扱いに対する不満の色も見せず、いつも通りにルーティーンをこなし、きちんと結果を出して見せた。

イチローは毎日、寸分変わらぬルーティーンをこなし、周囲からは「ロボットのようだ」と言われるという。ラグビーの五郎丸選手のように、決まった行動をすることで気分が落ち着き、集中力を高めて安定したパフォーマンスを発揮することができるのだろう。上述の、代打の代打を出された次の試合の活躍などは、そのことを証明したと言える。

あのピート・ローズは42歳で121安打、その後の2シーズンでは連続で107安打したらしい。今シーズンの好調ぶりを見ると、まだまだイチローもいけるのではないかと思わせるデータである。

イチローの毎試合の安打数や打率を楽しみにしてきたファンとしては、1日も長く活躍し続けてほしい。
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2016年05月28日

Dewey the Library Cat: A True Story

「Dewey the Library Cat: A True Story」      Vicki Myron(著),Bret Witter(著)
★★★★★



田舎町。さびれた図書館。その返却ポストに捨てられていた一匹のネコ。そのネコは見た目もかわいらしく、図書館で飼われることに決まる。人なつっこいネコだったようだ。

英語を読む時にはたいてい薄いベールのようなものを通して読んでいるように感じるものだが、それでもこの本は魅力的だった。デューイの愛らしさが文章から伝わってくる。動物好きにはたまらない本だろう。デューイと図書館員たちとのほほえましい日々が描かれる。

そしてデューイの存在は、町を活性化するのにも一役買っていた。デューイ目当てに人が集まり、新聞でも取り上げられる。デューイには、自分が嫌いなことを人が考えただけでたちまち逃げてしまうという賢い側面もあったようだ。

著者が病気になった時にも、デューイの存在が支えになった。ペットの重要性を感じさせる記述である。

しかし、当たり前のことであるが、デューイもやがて年をとり、そんな日々も終わりを迎える。かわいがっていた動物の死。確かにそれはつらいものだ。それにしても、デューイの死がアメリカのあちこちで報道されたことから、どれだけ全米で愛されていたかが分かる。飼いネコとしてはみんなに愛された幸せなネコだったと言えるだろう。私を含めて、ネコ好きにはお勧めの一冊。
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2016年05月21日

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か

「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」
★★★



AI(人工知能)が発達すれば、多くの人にとっては便利な世界になることは間違いない。しかし、私は強い危機感を抱いている。その理由は他でもない、今の仕事(産業翻訳)を失うかもしれないからである。現在でもAIは翻訳ソフトに搭載されている。私も試したことがあるが、現時点ではとても使い物にならない。しかし、20年、30年後にはどうなっているか分からない。ある予測によれば、人工知能の発達によって、30年後には現在の仕事の50%がなくなってしまうという。誰にとっても人ごとではないのである。

印象的なのは、アメリカのニーダホッファ兄弟の例である。兄のほうは投資家として成功したのだが、1997年と2007年の2度にわたる取引市場の暴落を読めず大損してしまう。しかし、弟のほうは自分で作った機械学習システムの予測に従って株や国債を売り、難を逃れる。AIが人間を上回った好例である。

また、私が心配しているように、英語と日本語間でもかなり正確な機械翻訳が可能になり、一種の意訳もできるようになるらしい。

心配なのはそればかりではない。AIにはまだ謎が多い。マイクロソフトの研究者がシステムに英語と中国語を学ばせると、その2か国語の語学力は上がった。次にスペイン語を学習させると、スペイン語の語学力も上がった。しかし同時に、なぜか中国語と英語の語学力もさらに上がったというのである。システムの開発者もその理由が分からないらしい。こんなシステムを際限なく開発することが果たして人類のためになるのか。著者はAIの教育のしかたを間違えればどんどん不良化して、最後には手に負えない存在になってしまう危険があると言っている。そうならないように、人間が完全に制御できるようにしておく必要があるだろう。

AIには創造的な仕事はできないと思っていたのだが、実際はそうでもないらしい。エミーというコンピュータ作曲プログラムの作った曲を聴いて感動したり、バッハが作曲したと勘違いした人が多くいたのだ。ならば、人間の存在価値とはどこにあるのだろうか、と考えざるを得ない。

それでも、著者は人間を超える知能を備えたコンピュータやロボットを人類は創り出す、と結論している。人類が抱えている様々な問題は人間だけで解決するのは難しいからだ。だが、人間だけが持つ先見性と懐の深さで私たちはAIとも共存していける、というのが著者の主張である。AIの発達によって暮らしが楽になり、汗水たらして働かなくてよくなるのなら、これほどありがたいことはないのだが。不安も多々あるが、AIの持つプラスの可能性を信じたい。
タグ:人工知能 AI
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2016年05月14日

グアルディオラ主義:名将の戦術眼は何を見ているのか

「グアルディオラ主義:名将の戦術眼は何を見ているのか」         西部 謙司
★★★★



2014年W杯、ドイツ優勝。そのチームの何人かはバイエルン・ミュンヘンの選手たちである。そんなバイエルンを率いるのは、あのグアルディオラ。彼は名将と言われ、気になる存在だったので、この本を読む気になった。

この本は、いきなりバイエルンvsドルトムント戦の分析から始まる。かなり詳しい説明なのだが、サッカーに関する知識が多少あれば十分に分かる。

グアルディオラはバイエルンをバルサ化しようとしていると言われていた。しかし、彼がバイエルンをバルサ化しようとしているというより、バルサと同じ手法をバイエルンでも使っているということなのだ。ただ、違うタイプの選手を使うので違ったサッカーになっているということである。グアルディオラはバルサを超えるチームを作ろうとしている。彼がブンデスリーガを選んだのは、プレミアよりも結果が出しやすく、自分のやりたいサッカーをするための人材がそろっていたかららしい。

4章ではヨーロッパサッカーの歴史も垣間見られ、興味深い。こういう本を読むと、サッカーにおける監督の重要性がよく分かる。そして、ヨーロッパでは常にクラブチームや選手が高いレベルでしのぎを削り、どんどんレベルアップしていることが感じられる。それに比べると、日本はまだまだ歴史が浅い・・・と感じざるを得なかった。スペイン代表が「無敵艦隊」と呼ばれながら、2010年W杯まで一度も優勝できなかったように、日本がW杯を手にするには悔しい、惜しいと思われるような試合経験を積み重ねていかねばならないのだろう。しかし、できれば生きているうちにそれが実現してほしい、と考えるのは私だけではないはずである。
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2016年05月07日

本は死なない

「本は死なない」                      ジェイソン・マーコスキー
★★★★



私はkindleのファンである。日本語版の初代kindleからkindle voyageまで、新モデルが発売されるたびに買ってきた。もちろん、kindle Oasisも購入した(ウォールナットカラーを選んだので、手元に届くのは6月なんです・・・)。だから、kindle開発者である著者が何を書いているかに興味があった。

だんだん、本が売れなくなってきている。読書好きとしては、本が将来どうなるかが気になる。この本によれば、電子書籍が中心になり、紙の本は生き残るが、それは一部のベストセラーだけになるという。

2014年の本なので、少し内容は古いのだが、kindle開発の経緯などを知ることができ、興味深い。2010年の調査では、ひと月当たりの娯楽費の29%が動画関連であり、本が占めるのは5%にすぎない。現在では、もっとその差は開いているだろう。

著者は、kindleには読者の感情を揺さぶる要素が欠けていると指摘する。たとえば、サスペンス小説を読んでいる時に、重要な場面になると銃撃音が鳴り響くような仕掛けが必要だと。確かに、そんな機能があればもっとkindle本を楽しめるだろう。

他にも、将来の電子書籍や本のあり方について実現しそうな予測がされている。また、著者の本に対する愛情も伝わってくる。この人は本当に本の将来性について真剣に考えているのだ。まだ実現していないことも多いが、未来の本について大いに夢を与えてくれる書籍だった。
posted by 三毛ネコ at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする